半ズボン主義者のひざ

南ではこれから秋

昨夜は急に寒くなり朝方に何度か足下がひやっとして目が覚めたのだけど、眠気がまさって起き上がってもう一枚掛布を取りにいった方が良いぞという真っ当な考えをしりぞけてしまった。

おかげで、今朝は久しぶりに右のひざが痛んだ

15か16の歳に前十字靭帯をいため、30歳のすぐ手前だったと思うけど、後十字靭帯を断裂してそのままにしてある。そのひざが何かあると痛みだすという事を、今朝までしばらくすっかり忘れていた。

ひとつ前の夏から仕事の日や、休日でも車とかクーラーの効いた中にいる時間の長そうな日は長ズボンをはくようにした。急におわってしまったこの度の夏はビーチや公園に集まる機会を除いて長ズボンで通した。ながらく父を診ている医者がいつも言っている、歳をとったら夏でも靴下に長ズボン。父は聞かない。 ひざの痛みに長ズボンの効果はてきめん。これは間違いない。

 

僕はずーっと半ズボンだった。大人になっても半ズボンをはいていたというよりは半ズボンだったという方がすっきりする。高校へも夏場は自分で切って裾をまつった半ズボンをはいていった。暑い暑い日本の夏に黒の制服の長ズボンは気違い沙汰だと思った。中学は麻混の夏ズボンがあったけど、高校はオールシーズン。ラグビーのせいで膝や腿にはいつでもすり傷があり、夏になり、疲れがたまってくると傷が化膿して、座っているあいだにジュクジュクがズボンの内側に張り付いて困った。

そんな状況で半ズボンを履かないという選択は合理的ではない。半ズボンをはかないあなた達には込み入った理由があるのでしょうが、僕にはない。できれば更に風通しのよいスカートをはきたいくらいだと思っていた。いくら暑くても決まった日まで詰襟学ランを着て、いくら寒くても決まった日までは上着を着てはいけない。服とはなんのためのものかという事をまったく考えたこともないにちがいない。通った高校は冬は学ランの上からコートを着てもよかったから、真冬はシャツにセーターにコートをはおった。困ったのは卒業式の日で、詰襟学ランを持っていなかったので、後輩に控えの学ランを持っているのがいたのでそれを借りたら、それが寸足らずのチビ襟短ランでカッコ悪かったなんて細かいことまで思い出しせてきた。

 

 なんてところから切り込んでいく橋本治の「革命的半ズボン主義者宣言」文庫版が出たのが1991年と僕が高校を出てしばらくしてからで、彼の本を何冊か繰り返し読んだけど、今は手元に彼の本は一冊もない。

ある革命的半ズボン主義者の死 。。 - tao-and-gnosisの日記

頂いたエリック ギルの本でも、花森安治一銭五厘でも男性の服装、とくにスーツメンの服装はまったくおかしいといっている。

https://www.amazon.co.jp/衣裳論-1967年-エリック・ギル/dp/B000JA7S7O

 

膝が痛くなるのをわかっていて、夏だからと無理して半ズボンをはくのは半ズボン主義に反すると言い訳して少しでも冷えそうな日は長ズボンで通そう。