フランス人 あるいは インド洋のボートピープル

ある時、職場の若いのが「新しく職場にきたジュリーはフランス人だというけど、俺は彼女はフランス人じゃないと思うな」というのでなぜかと問うと「だって彼女はカタツムリもカエルの足も食べたことがないっていうぜ」って。複雑な冗談かともおもったけども、どうもそうでもないらしいので困ってしまって「それは俺も直接に当人に確かめた方がいいな」くらいのことしか言えなかった。

 ジュリー非フランス人説をとなえる当人はインド系豪人で、当人は当地の生まれ。両親とも南インドのポルトガル人の多い町の出身で、母親はおおむねポルトガル父親ポルトガルの血が濃いって、色々いってるけど、あんたは100%まじりっけなし生粋蔵出しのインド人で十二分に通じる外見だよ。弁当はほぼ毎日カレーだしさ。まあ平気でハンバーガーもくってるから、ヒンドゥーでないのは確実だ。

 で、ジュリーはというとフランス海外県っていうのかな?(ドミニオンではないといっていた)のレユニオン島の出身。西豪からは、観光客の多いモーリシャス諸島で乗り換えて、モーリシャスからは飛行機ならばすぐそこって距離らしい。

 

 そんなこんなで、ここの皆さんは、海外どころか地元とハリウッドのゴシップ以外の事情にはまったく興味がない。そこへきて、昨今の降ってわいたようなボートピープルの大挙襲来で>外洋の収容島が定員オーバー>砂漠の廃坑町の仮収容所の定員オーバー>とつづいて、つぎは州都からわずか100kmのかつての小麦集積所(ステーションといいます)への仮収容所の建設案がでて、おおきな騒ぎになってます。

 町の会議所の前であばれて初の逮捕者となった男は一躍、時の人です。「爆弾を落とせBomb the boat」とか「沈めちまえSink the boat」とか手書きのTシャツでアピールする人たちもいます。メッセージシャツは何故かみな女性です。

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