ラグビー憲章<Rugby charter>からの抜き書き
◾️プレーはラグビーの精神に発しプレーヤーはゲームの原則に沿ってプレーする
◾️果敢な挑戦と悪意のプレー、危険なプレーはあきらかに異なる
◾️挑戦と危険の境界は全プレイヤーとレフリーが不断の努力で定める
◾️プレーする楽しみとそれを観る楽しみが矛盾する場合は前者が優先する
<意訳>
World Rugby(旧インターナショナル・ラグビー・ボード)が発行し、各国語に訳されるラグビーの競技規則の冊子とpdfは
Law of the game - Rugby
と題される。ルールという言葉は使っていないから、ローブックか競技規則が冊子の適当な日本語の呼び名となる。ルーリングという用語はあって、これはレフリーがLaw・法を適用する際の線引き、さじ加減を指すのでルールは法の下位の規範ということでしょう。ルーリングは冊子に印刷されることはなくその都度、指針の通達という形で配布される。
Rugby Lawは
前文
用語の定義集
ラグビー憲章<ゲームの原則>、<競技規則の原則>
条文 1から22条
19歳以下、7人制、10人制の特例条文
の構成で条文は一番あと。憲章はまず先にゲームの原則そしてLaw・競技規則の原則を示し、ゲームと競技規則の成立背景をわかりやすく丁寧に示している。
かつては口伝で友愛・カラマデリーの一言ですましてたことですが、2013年度版では品位・結束・情熱・尊敬・規律とどっかのパワポ資料のようなことが書いてありますね。
<超訳>
プレーの原則
条文の文言に従うと共にラグビーの精神の中でプレーする
挑戦と悪意の危険なプレーの境界は関係者全員が継続的努力で定める
競技規則の原則
安全
ゲームの円滑進行
グランド外
すべての主催関係者・チームのサポート関係者に敬意を払う必要がある
挑戦と反則の境界線は興味深いのでもう少し詳しく見ると、
果敢な挑戦と危険なプレーは明確に異なるものであり
その線引きはすべてのプレイヤーとレフリーが継続的に規律を持って行う
その線引き能力こそが個々のプレイヤーの能力限界である
古臭いというなかれ
ラグビー独自の魅力は実にこの点、ラグビーの精神に多くを負っている
プレーは精神に発し、ゲームは原則に沿う
すべてのコーチ、キャプテン、プレイヤーとレフリーは各々にそして連携してラグビーをここに記されたようにプレーする責任を有する(とコーチのゲーム文化破壊に釘を刺している)。
惜しむらくはほとんどのプレイヤーとかなり大分のコーチそして少なくないレフリーがこのラグビー憲章を読まない。
繰り返して
あるべきラグビーとは不定形ながらあり
その核にはしっかりとした不変のスピリッツがある
Lawはゲームの大まかな輪郭を定めるもの
ゲームの幹は習慣と良識にもとづくラグビーらしさ
と書いてある
非違法=合法ではない
蹴球労働者はさておき、一般のプレイヤーはしきいのキワを攻めずに王道で存分に力を発揮すれば、やって楽しく、観ても面白いゲームが成り立つし、何より、レフリーの笛に煩わされることなくゲームが流れるはず。
グレーゾーン、偶発するあるいは誘発させた非・違法域の有効利用にのみ興味と努力をそそぐコーチとプレイヤーが多いのにはまったく嘆息する他ない。これは何も日本にかぎったことでなく、南アとNZの二大強国でも、近年はっきりとひどい。両国では15人制ラグビーが圧倒的な人気で、他の人気スポーツとのテレビ放映シェア争い/お母さん人気争いに気をつかわずにすむせいかプレーはマッシブ方面へ邁進している。