ていこくのはずれに インド洋編

 仕事先の同僚のB女氏。普段はボロいヒュンダイを通勤に使うが、帰りに友達に会うような日はお出かけ用のV8ホールデン・コモドアーでお出ましになる。そんな古典的な西豪女性の彼女の夫がG氏。かつては僻地や鉱山での肉体的にきつい仕事の派遣さんだったのが、子供が歩き出したのを機に町へ戻り鉄工所に務めるようになって2年ほど。彼が一年に一度か二度、出張でインド洋の対外、アフリカ中央部の某国へ井戸掘りその他の土木工事へ行くその話が面白い。

 

 井戸掘り用のリグ、特殊な工具、治具、重機のアタッチメントその他全部作って梱包してずーと早めに送って荷物が到着したのを確認してと万全を尽くして出発。ビザは31日間きっかりで延長なし、首都のそれよりも現場に近い隣国の空港から入り、ビザが有効になる日時までに余裕を持って国境に移動し、よーいドンで現場に向かってって一歩めから何ひとつうまくいかない。全くどこから話をはじめていいのかわからないほど何もかも上手く行かない。上で面白いと言っといてなんだけどGはかなり口下手でBの補助なしでは話の進行もおぼつかない。彼が会社のおごりの夕食会に着てくるおで出かけ用のシャツがビキニのお姉さんのプリントのTシャツだったり、それで反省して次の時は真新しいフランネルのシャツだったりする。そんな彼である。

 

 その31日間に前後の休憩を合わせた6週間の臨時ボーナスが邦貨で約180万円だそうで、その金額にはちょっと驚いた。しかも全然しんどくない、資材がなかったり色々で、ちょっとつらくなるほど暇だったりするらしい。