『暗闇のスキャナー 』P・K・ディック

A Scanner Darkly by Philip K. Dick 1977

1991 山形浩生 訳  創元推理文庫SFテ19

ちょっと呑んだだけなのに

いつもより【終電の時刻が早かった】所為で

家に帰れなかったたような話

この寓話でディックは定点を据えて

【正常な現実】の境界面ちかくを遊泳していて

いつの間にか戻れなくなった

仲間を描いています

複数の狂った世界の衝突面に生じる

目まいがするようなカットバックや

トリッキーなパラワールドの出現を

現実がつっかえ棒を失い

位相の異なる世界に流れ込んでいくときに

【当事者】には

【実際に】なにが起こっているかを

あるいは

【当事者にとっては】たいした変化がないことを

微分して分かりやすく説明してるのでしょうか

『流れよ我が涙』後

ヴァリス』前

未読で、ディック再読の気が満ちてる方は

ぜひ ご一読を

初版らしき表紙を

訳は 車が出てくるシーンになると

急にたどたどしくなる 残念

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