姫というか殿と言うのか

日曜の午後、同じアパートのジョンが3時間ほど家で留守番だからビールでも飲みにこいというので知さんをつれて行った。

 

ジョンはニュージーランドマオリで、マオリの誇りは強いのだけど、部族内のいざこざがいやで西豪州に来たくちだ。パースはニュージーランドから遠い。タスマン海をはさんだクイーンズランドも人気の新天地だけども、マオリはじめサモアにトンガとにぎやかすぎて今度は部族間にのいざこざが大変という話もある。

 

前に聞いた話では彼の母さんが厳しい伝統主義者で小さい頃は磯での食料採集ばかりでたいへんだった。中学生の頃に町に引っ越したけど、ハンターから肉屋に転職した父さんが町の暮らしに馴染めなかった。などなど

 

ラグビーの話になって、日本ラグビーの将来性から日本の私立高校のトンガ人留学生の話、高校インポートはあたま数の制限があるから中学二年生から青田買いするとか15年前に仕込んだ知識で話をしたら

 

素晴らしいじゃないか!うちのタージは10年後には日本の私立中学高校で奨学金もらってラグビーするぞ!って言う

 

こっちは日本からの注文を抱えた人買いがトンガあたりをウロウロして中学生を物色してる。やだねって話のつもりだったんだけど、私立高校なんて別世界だったジョンにとっては素晴らしい!ことだって気がついて自分の殿さま加減を今さらながら思い知った。

 

自分は私立の学校にいったことはないけど、そこは夢の高級施設ではなかった

最近、俺って生まれてはじめてお金のためにあくせくと働いてるなぁーなんて思ってたけど、まだまだ何にもわかってなかったんだなぁと感慨深いな晩夏の夕暮れ 妻殿すまんな、金の苦労ばかり見て育ったあんたにとっては俺ってイライラの原因そのものなんだろうな まったく正反対のことを言うようだが、瀬戸際でも殿さまでいられる。貧しても鈍ぜすなのは、両親のおかげ この人生、警備員のバイトでいきなり宿直させられて、午前4時まで何事もなく、あと3時間で朝番の人が来るそれまではって感じるな 今この時点でhs