過ぎたるは

あるいは米喰わぬ嫁さん from 南仏

義父、義継母が訪れる。義父は3日もあけずに、帰宅前のワンクッションで来るのだけど、彼女は久しぶり、病気がちで免疫疾患もある彼女はずっと引きこもっていた。

 

話というのは、先週、嫁御の次兄、ここでは義兄2と呼ぼう、の別れたパートナーがお酒と処方された気の病の薬と処方されていない痛み止めかなんかをカクテルした挙げ句に燐家に迷惑をかけ警察、救急と義兄2が出動という一幕があった。

 義兄2とその元パートナー、南仏出身で馬場でワーキングホリデー中にできちゃった事実婚、二児を設けて、今は別居している彼女はもう2年近くも関係解消の調停を続けていて、今日が家裁の最後。主な議題は金だ。彼女は彼の全ての事業、不動産の評価額の半分を要求。彼は、あれらはほとんど借金なんだからそんなん無理と主張。これで双方納得しきゃこれ以上家裁の手間を煩わせるのはやめて、民事法廷で決着つけてくださいという日だったのに、一昨日、元パートナーの方から先週のアレから回復中で明日は無理、医師もやめとけと言った診断書もあると言ってきたとかなんとかで調停はお流れ。

日を改めてと思いきや追って、今までの経緯から判断して継続は無意味。家裁としてはこれでおしまい。とのお達し。その結果。義父、義継母が先週末の彼女側の大失態、大量失点にいざ逆襲と喜んだのも束の間、言わば「日没引き分け、再試合なし」ということになって、及ばざるが如し。収入の無い彼女にかわって義兄2が支払った彼女サイドの弁護士費用、円で1000万円を超えるそれが丸々ムダ。ということでただただ加害したいだけの彼女と儲けたいだけのその弁護士の再逆転勝利となってしまった家裁編。

 

別口で義父は、義兄2と別れてからのデタラメ行動のいくつかをネタに義兄2の元パートナー女を刑事で訴えている。過去にいろいろあったであろう義継母は彼女への怒りを隠さないけど、義継母も義父もいくつかポイントを押さえ損ねている。 

・ここオーストリアには親権というアイデアはない。親には権利がなく義務だけがあるーハリウッドのゴシップネタとは違うのだ

・誰であれ子供が親を持つ権利を侵害できない。ゼッタイ ダメ

・離縁と子育て分担は別件である

・別件だから彼女の親としての適性の低さを責め立てても、お金の分け前の話には何にも響かない。

・どんな親でもいないよりマシという大原則がある。酷い例ー知人の元嫁は働いたことのないヘロイン使用者だけど更生プログラムに参加しているということで、司法は金がない彼女が親として子供のそばに居られるよう、彼が最大の努力を払うようにと言い渡した。地元に帰った彼女のために、会社を売って自分も州をまたいで引越して彼女の地元で働く。2週間毎に子供を育てるプラス彼女の急用やヘロイン治療の間も子供をみる。そのために夜勤しかできない。会社と新品だと数千万円分の撮影機材を売った金はズルズルと吸い取られたりいろいろで、彼は中程度のアル中になってしまっている。正式にこんな親いない方がマシと認定するハードルはものすご〜く低くセットしてある

・義兄2にはひとり親で女の子2人を育てる能力がない。だから、息子を助けて元パートナーを撃墜したら困るのは当の息子、義兄2当人である

・彼女の欲求は2点。メチャクチャにしたい。金をぶん取りたい。対して義兄2は二児を間においた穏当な関係を持ちたい。そもそも非対称だから相手の失点は自分の得点ではない(ばあいもある)。

 

今まで、あーとかはーとか、そりゃヒドイとかしか言わなかったけど、今日はそんなことを話した。

 

あとふた月、六月末で正式な別居から2年。2年間が乗馬・競走馬の馬場での現金仕事しかしたことのない彼女に家裁が与えた自立への助走期間で、その後は義兄2の彼女に対する扶養義務はなくなる。という話らしく、まだまだ宅で寄り集まっては作戦会議をひらくのだろう。飯は作る、酒は飲んでくれ。でも、片付けは手伝ってください。その点ははっきり言えなかった。