人類史最大の発明

人類史最大の発明

数少ない読者の皆さんというかお二方、お元気ですか?
こちらは元気です


この5年で4回の引越して老眼鏡を2回新調し、7回手術し、いちど救急病院にお世話になり、帯状疱疹の激痛を体験し、仕事を2回かわり、今日になってやっと椅子に座ってタブレットじゃないちゃんとしたやつ、2011年の中頃に製造とあるMacBook Airに電源を入れてみた。
もちろん記憶にはないけど、どうやら電源を切らずにスリープから枯死させてしまったらしいバッテリーのせいか色々手間取り、半ば諦めかけたけど半日ほど頑張って調べてやり直してなんとか再起動>安定。

実は先週、これはDVDを見たいというもう6歳になった知さんのために5年ぶりに目覚めさせた大きく立派なiMacはすぐ使えてDVD観賞用に使っていこうと思ったら、その晩だけ。なんかハードディスクがブンブンいっててボディーも熱くなってるのにファンはフツーにしてるので、各部の温度モニターと冷却ファンの回転を任意に上げられる無料ソフトを入れてファン全開これでよし。翌日以降、2度と起動せずーディスクが回ってる音が全く聞こえない。これも色々調べて諦めて、丸ごとコピーを取った記憶もあったので、あのくそご立派なスタンドだけ取り外してゴミへ。そんな経緯もあってパソコンのありがたみが身にしみています。
余談ですが、そんな話をしたらじゃあと差し渡し1メートルちょっともあるテレビをくれた人がいた。安いから2台買ったけど家にはテレビがありすぎて置く場所ないからとのこと。恐ろしい時代です。でもうちにはDVDプレーヤがないからただの場所ふさぎです。同時にくれたテレビ台もカッコ悪いし。


人類の最大の発明は家族であるという説を目にしことがある。
なんやかんやで人類の中に30歳を越えて長生きするのが一定の数でて来た時に知識の蓄積が始まり、ばあさんがいるおかげで周産期死亡がちょっと改善され、じいさんの知恵で悪天候その他の10年に一度の難事になんとか対応でるようになり人口増加、寿命の延長が始まって人類が地上の覇者へと歩み始めたとかとか。


タオ&氏は先回りして「何事にも寿命がある。家族ってやり方にも寿命が来てんだよ」とおっしゃった。のも10年以上前の話。最近じゃなんでも10年前の話です。


今、YouTubeで生活上の知識は溢れるほど得られるので、最大の発明の寿命って本当に来ちゃったんだなと思う。母娘離縁が増えるのも頷けます。
蓄積知識のビッグバンですね。何万年かもっと前にちょろっと始まって、写本時代を通じて微増、印刷で急増、ネットで激増してブラックホールになるのに十分な量に達しました。今の吹き上がる勢いがおさまれば、あとは重力崩壊。

サイバーパンクあるいはスプロール三部作の結びでギブスンが、ネット上の知識量が臨界して蓄積そのものが意思を持つようになって宇宙の近隣の同様の存在とおしゃべりを始めた。それがネット上のあるいはネットから人間界にまではみ出して来た不可解な心霊事件の原因だって繰り返してて、読んだ当時は、このでっかいお話、別に起承転結があるわけじゃないから無理やりオチをつけてんのかと思ってたんだけど、いま読み返したくなった。でも『ニューロマンサー』以外は絶版なのね。ちょとショック。カッコつけるとギブスンの本は英語でもいいけど、ザラ紙のペーパーバックは目が無理。キレイな白い紙に印刷してあるのがあったら買う。でも、SFペーパーバックが邦貨2000円くらいする時に日の基を遠い目で見てしまう。

姫というか殿と言うのか

日曜の午後、同じアパートのジョンが3時間ほど家で留守番だからビールでも飲みにこいというので知さんをつれて行った。

 

ジョンはニュージーランドマオリで、マオリの誇りは強いのだけど、部族内のいざこざがいやで西豪州に来たくちだ。パースはニュージーランドから遠い。タスマン海をはさんだクイーンズランドも人気の新天地だけども、マオリはじめサモアにトンガとにぎやかすぎて今度は部族間にのいざこざが大変という話もある。

 

前に聞いた話では彼の母さんが厳しい伝統主義者で小さい頃は磯での食料採集ばかりでたいへんだった。中学生の頃に町に引っ越したけど、ハンターから肉屋に転職した父さんが町の暮らしに馴染めなかった。などなど

 

ラグビーの話になって、日本ラグビーの将来性から日本の私立高校のトンガ人留学生の話、高校インポートはあたま数の制限があるから中学二年生から青田買いするとか15年前に仕込んだ知識で話をしたら

 

素晴らしいじゃないか!うちのタージは10年後には日本の私立中学高校で奨学金もらってラグビーするぞ!って言う

 

こっちは日本からの注文を抱えた人買いがトンガあたりをウロウロして中学生を物色してる。やだねって話のつもりだったんだけど、私立高校なんて別世界だったジョンにとっては素晴らしい!ことだって気がついて自分の殿さま加減を今さらながら思い知った。

 

自分は私立の学校にいったことはないけど、そこは夢の高級施設ではなかった

最近、俺って生まれてはじめてお金のためにあくせくと働いてるなぁーなんて思ってたけど、まだまだ何にもわかってなかったんだなぁと感慨深いな晩夏の夕暮れ 妻殿すまんな、金の苦労ばかり見て育ったあんたにとっては俺ってイライラの原因そのものなんだろうな まったく正反対のことを言うようだが、瀬戸際でも殿さまでいられる。貧しても鈍ぜすなのは、両親のおかげ この人生、警備員のバイトでいきなり宿直させられて、午前4時まで何事もなく、あと3時間で朝番の人が来るそれまではって感じるな 今この時点でhs

いらん床屋談義

昨日、土曜日はどたばたしていたのが夕刻前に急に暇になって、しばらく機会を逃し続けていた床屋に駆け込んだ。最近引っ越してシティの東のふちに住むので何事も徒歩で便利だ。

大半の床屋は律儀に5時で閉めるせいで、二軒で今日はもう無理。市内循環の無料バス、赤キャットに乗って市街の中心のちょっと手前で降りて回転寿司の並びの新しい床屋へ。

一通りの会話のあと、出身を聞かれて日本と応え、床屋はイランと言い、むかしはイラン人がけっこう日本へ稼ぎに行ったもんだというので、あんたそんな歳じゃないだろ、いっぱい来てたのは90年代初頭からしばらくだよというと、そうだな、俺らの歳じゃ韓国だ。日本へは韓国へいったん入ってコンテナに隠れたりと大変で、着いたらヤクザに〆られてと大変だったと聞いたという。

失礼だがあんたはそんなやんちゃする輩じゃないだろと問うと、日本や韓国まで行ったのはテヘランのチンピラがメインで俺は南部のイラン第二の都市の出身だと言い、田舎の連中は宗教的で外国にいったりはしないという。

宗教的か否かにかかわらず外国へ行くのは街の子たちさと流しつつ、此処は床屋。唯一、政治と宗教の話をしてもいい場所、いろいろと聞いてみた。

曰く イランは世界で五指に入る本質的に豊かな国。石油にゴールドなんでも掘れば出てくるし実際掘っている。ただその金はみんな近隣諸国へやっちまううんだと。

ーーそりゃ近隣諸国には米軍だのその肝煎りの聖戦戦士だのがイランをねらってるって聞くからなと思いつつ、先を即す

曰く 金銭汚職がひどい。汚職はシャー パーレビの御世とかわってない。

曰く 世界一もつ価値のないパスポート。行けるのはイラクだけ

曰く 政教一致なんてぜったい無理。

曰く 政府、役場がでかすぎる。出世した連中の考えることは賄賂を貯め込んでカナダかアメリカにとぶことばかり

曰く ホメイニ一家の資産は50億ドル(ホントか聞き違えか?)

何年かまえにテレビで見たイラン映画思い出した。主役は2人の女性。赤く染めた髪に申し訳程度にスカーフを巻き、夫とは別居中の大学の教員と、迷路のようなバザールの奥に住み、妊娠中も働くしかない黒ずくめの女。

赤髪スカーフの別居中の夫の寝たきりの父親の介護の職を得た黒ずくめ、なんらかの事故があって流産してしまう。ここぞとばかりに荒ぶる無職の黒ずくめの夫と自分の夫の両方が憎く、旧来の女性像にとらわれる黒ずくめを啓蒙しようと示談で黒ずくめに肩入れする赤髪スカーフ。頼むからほっといとくれと懇願する黒ずくめ。

拗れた示談はコーランに手を当てて宣誓しての真実タイムへ進展し、結局は赤髪スカーフの薮蛇で黒ずくめが嘘を告白する羽目に陥って、助けるつもりが黒ずくめが大変なことに。

なんてお話でした

香具師 チンドン屋

ここ数週間、YouTubeにやられてしまって日に2時間は色々と観ていた。

テレビを見ないので、これが皆がテレビを見るときの感じかなと想像した。締め切りがあるのに漫画を読むのをやめらないのとはちがう切迫してないダラダラ感に身をまかせるのもオツなものだと知った。

YouTubeを見るきっかけはしつこい首の痛みをなんとかしたかったからで、コロナで暇なせいか数かぎりないほどの整体師ー整体業者がチャンネルを設けて我こそはと張り切っている。

ついでに格闘家の皆さんも百花。そこで試合を見るとなんとも小粒な試合ばかりで、キックや総合の最盛期とは比べるべくもないというのが正直なところ。ただ、若い格闘家の皆さんの中でもYouTubeの仕組みに合わせられた人達はそっちで随分稼いでいるらしい。

人気格闘家は企画、撮影、編集と4、5人の「メンバー」からなるYouTube製作「チーム」を率いる頭格でもあるということで、それだけの広告収入を得ているのでしょう。

インスタグラムといい、なんとも総香具師な世になったものだと思う。でも、と思うに電通とかそんなとこに仕事が集中してるよりは健全だし、広告なんて人類史を通じて小粒だったのが常態と思えば、チームを率いる若い格闘家さん達は士官先を探す足軽未満集団の長のようで、逞しくもあるなーなどとと思ったらすぐに、総元締めは世界に一社のYouTube様で電通への一極集中どころじゃねえと思い至り、いやはやとため息をつくのみ

安売りするな

共産主義だな

 

前回に帰国した折に先端技術を売買するような会社を経営してる知人に、ここ西豪州の労働党支持者家族で育った同僚の職業倫理というか被雇用者の心構えを話した時の彼の感想が、それって共産主義だな。

 

ここでは、サービス残業なんて、当節風に言うと、あり得ない。シフト終了を10分もすぎて過ぎて作業してると、遅出組にまず、やんわりと「いいから帰りなよ」といわれ、続いて「残業計画書だした?」さらに「労働者の権利をほうりだすつもり?」「他が迷惑すんだよ」などと言われる。

 

そんなこんなには慣れたけど、他にももっと安売りしちゃいけないものがあって、そちらは想像もした事がなかった。

 

先日、誰か嫁殿の兄弟姉妹の家で皆でテレビをみていて、イギリスのテレビで料理するのが仕事の何某女史、これでもかと流し目をカメラにくれるお色気五十代?の彼女が、会食に訪れたであろうレストランの裏でパートナーに頭を叩かれるシーンの盗撮動画が放映さえれた。

まあ、人前で口が過ぎたのか何かあったのかな?としか思わなかったのだけど、テレビの周りに居合わせた親戚の女性達の反応にはかなり驚いた。

曰く「なにやってんだよ」

「えっ!離婚したとかそんなゴシップ流れてないけど」

「あれ?男ってなんか金持ちじゃなかったっけ?」

「こんな奴もうテレビに映すな!」などなど。同情どころか非難轟々。注意して聞くまでもなく、女性陣の非難の矛先はシバいた男ではなくて、シバかれて黙ってる女に向かっていた。

なんてこったい

しっかりじっとり、じんわりズッシリと驚きが沁み入ると同時に、今までの当地の女性の行動に関する不可解が溶けるきっかけが芽生えてくるような気がした。

能力給

「能力給」って訳語を考えついた奴は悪魔だ

 

久しぶりに東京の甥っ子と電話でしゃべった。今年は大学3年生。もうすでに、就職の話だとか。

日本はまだゴニョゴニョ...。 ムニムニでだめ...。まぁわかるよ。おじさんは外国にすんでるからね。万事承知だよって言った方が良かったのかなぁ?確かに、ここじゃ年俸制だし能力給だ。能力給について説明しようとして、良いことばかりじゃない。旧日本風の勤続+年齢+手当ってのも悪くはない。なんでも西洋風がいいって思い込むのも考えもんだって伝えようとしたけど、やや不発に終わってしまった。

次の会話の機会に備えて考えをまとめておこうと思い立った。

 

スペック給

「能力給」と聞くと、能力が自然と?給与に反映され、作業のレベルアップが正当かつ速やかに昇給につながっていくようなイメージをもってしまいそうだけど、実際には「スペック給」と言った方が実情にあっていて、給与は資格、学歴と前職の給与証明と会社の予算の折り合いで決まる。会社が求める能力とそれに対する給与がキッパリとあって、求職者は自分こそその要求にぴったりだとアピールする。

 

通常3ヶ月の試用期間が終わると契約通りの金額が支払われ、

次の3ヶ月で満額支払い分の働きをみせないと、肩を叩かれる。よく働けば残留決定。

条件が変わらない限り、物価上昇率以上の昇給はなし。

 

これが、能力給です。仕事の上手い下手は関係ありません。同じ資格の人間が同じ仕事をすれば「キホン」給与は同じ。仕事の質の評価とかはなしです。運良く人手不足の折に急いで採用された怠け者が先輩より給料が良かったりという事もよくあります。もちろん、人員整理の際は仕事の質は関係ありますが、同じスペックの人間数人からひとり減らす時は、まずは給与のいちばん高い奴ををきります。

 

昇給するには資格を取るか、持ってる資格をアップグレードする。うちじゃ、その資格者は間に合ってるから昇給には結ぶつかないよと言われたら、転職する。

 

そんなところかな

くれぐれも「能力給」に必要以上の夢をみないで